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Jクラブが小学校に入る──「サストレジャパン」が育てる、スポーツ×サステナの次世代プレイヤー

Field & Future 編集部読了 約5分
Jクラブが小学校に入る──「サストレジャパン」が育てる、スポーツ×サステナの次世代プレイヤー

「サステナビリティ」という言葉は、大人の世界の話だ——そんな固定観念を崩そうとしている動きがある。湘南ベルマーレ、ガンバ大阪、アビスパ福岡など5つのJリーグクラブが参画する「サストレジャパンプロジェクト」は、小学5年生を対象に、スポーツを切り口とした環境・社会課題の探究学習を展開している。2024年から2025年度にかけて560人の生徒、延べ27社が関わったこのプロジェクトは、Jクラブの「地域との関わり方」に新しい文法をもたらしている。

「サストレ」とは何か──スポーツで環境を学ぶESD

「サストレジャパン」を運営するのは、株式会社shikakeru(東京都世田谷区)。「スポーツ×サステナビリティ」をテーマに次世代人材育成プログラムを開発する会社だ。サストレとは「サステナブル・トレーニング」の略で、ESD(持続可能な開発のための教育)の手法を、Jリーグクラブの地域活動と組み合わせた探究学習プログラムを指す。

内容はシンプルだ。「みんなが住み続けたくなる街づくり」というテーマのもと、子どもたちが地域課題を発見し、アイデアを考え、発表する。Jリーグクラブの選手やスタッフが授業に関わることで、「好きなクラブが環境のことを考えている」というリアルな文脈が生まれる。

5クラブ・560人・27社──実績が示す広がり

2024年6月から2025年度にかけて、湘南ベルマーレ、ガンバ大阪、レノファ山口FC、アビスパ福岡、ギラヴァンツ北九州の5クラブが参画。3校17クラス、560人の生徒が参加し、延べ27社の企業・団体が協力した。

地域密着を掲げるJクラブにとって、学校との連携は目新しくない。だが「サステナビリティ」を軸にした探究学習という切り口は、従来の「選手が学校訪問してサッカーを教える」型とは一線を画す。子どもたちが能動的に課題を見つけ、解決策を考える設計が、学校現場での評価を高めている。

2030年に「年間1万人」──Jクラブが教育インフラになる

shikakeruが掲げる目標は、2030年までに「年間1万人のサステナプレイヤー育成」だ。現在の560人から1万人へ。この数字を達成するには、参画クラブを全国に広げ、プログラムを標準化し、企業スポンサーを増やしていく必要がある。

その拡大戦略の一環として、5月13日・14日に参画希望クラブ・企業向けの説明会が開催される。Jリーグの60クラブが2026年からSPL(Sport Positive Leagues)のスコア評価を受ける時代において、「教育プログラムとの連携」は地域貢献の定量的な評価に直結しうる。参画クラブが増える素地はある。

子どもをファンにする前に、子どもを共犯者にする

Jクラブが学校に入ることの意義は、集客や認知だけではない。「このクラブは地域の課題を一緒に考えてくれる存在だ」という体験を小学生のうちに持った子どもは、20年後も地域に根ざしたクラブのサポーターであり続ける可能性が高い。

サストレジャパンプロジェクトが育てようとしているのは、環境に関心を持つ次世代だけでなく、スポーツと地域の未来を一緒に考える「共犯者」だ。Jリーグと学校教育の接点に、これほど具体的な設計図が現れたことは、注目に値する。

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